■RICOH GR インプレッション・レビュー


APS-Cセンサー搭載コンデジ、GRの新シリーズ初代機

前回に続いてコンデジの紹介と雑感。
RICOHのフラッグシップコンデジの「GR」だ。
デジタル時代のGRシリーズとしては5代目にあたる。
まずはギャラリーから。
画像はCanon G7Xで撮影。
(JPEG撮って出し)
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斜め正面から。
野暮ったく、古臭いデザインは健在だ。
GRのロゴはモールド(彫り)になっており、従来と比して「DIGITAL」の文字は省かれている。

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背面。
画面は3インチ3:2で、ボタン類は新たに加わったレフ機風のAFボタンが目を惹く。

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ダイヤル部。
本機にもロック機構がついている。
MY設定が3つあるのも引き続きの特徴だ。

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底面。
本機もCanonなどと違い中国製なのが気持ち的に残念だが、GRD3と同じく実用に支障はない。

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レンズを繰り出したところ。 GRD3と比べて1段少なくなり、1段式となっている点が印象深い。

以下は作例(JPEG撮って出し)。
日没間際に4枚撮影した。
GRD3のエントリでも同状況下・同アングルで撮影しているので比較してみてほしい。
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pros

 1.デザイン

やはり本機も初期GRから一貫して見た目を変えていない。
グリップが大変握りやすく、またその効率的なボタン配置により、右手のみで操作が完結してしまう。

 2. 起動速度とレスポンス

GRD3よりも圧倒的に速い起動1秒、そして0.2秒の超高速AF、撮影後プレビュー時間も痒い所に手が届く「なし」や「0.5秒」等に設定可能(筆者は0.5秒に設定)。
軽快なテンポでスナップに特化している。

 3. センサーサイズ

スペックシート上で最も目を惹くのは、従来の1/1.7から変わったセンサーサイズだろう。
なんとこのコンデジのサイズ・軽さでAPS-Cのセンサーを内蔵している。
画質の良いGR単焦点レンズとの組み合わせで、その実力は並のミラーレス一眼を凌駕するほどだ。

 4. 別売の専用革ケース

カメラ本体の話からは逸れるが、別売の革ケースの出来がとてもいい。
ケースというよりもホルスターに近い構造になっていて、サッと取り出せる。
これもスナップシューターとしてのコンセプトの一環なのだろう。

cons

 1. ズーム機構無し

歴代と同じく単焦点レンズとなっている。
画質とのトレードオフで致し方のないところか。
しかし、本機には35mmと47mmのクロップ機能が搭載されているので、どうしてもという非常時には便利だ。
ただし画質は1000万画素程度まで落ちる。

 2. 手ぶれ補正無し

GRD4ではVCという名で実装されていた、手振れ補正機構がなくなった。
しかし、手ぶれ補正機構を搭載するにあたって本体が重く大きくなってしまうなら、個人的にはいらない。

 3. マクロ性能

これは従来機のワーキングディスタンス1cmから、本機では10cmへと低下した。
センサーサイズの大型化に伴う弊害としては致し方のないところ。
個人的には10cmまで寄れればそこまで困ることはない。

まとめなど

総評として「最強のスナップシューター」の名に恥じないコンデジとなっていると感じる。
軽快なレスポンスや、取り回しの便利さのため、自然に撮影枚数が増えてしまう、そんなカメラだ。
これは従来機から変わっていないコンセプトで、荒れるコンデジ界隈の中でこういった地位を築いたRICOHの偉大さでもある。
では今回はこの辺で。

Written on April 7, 2019